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木村篤信が日本デザイン学会にて「社会システム転換による根本問題解決を志向するデザイン実践事例~社会システムデザイン方法論の検証を通じて~」の発表を行うとともに、座長を担当します。

画像元:https://confit.atlas.jp/guide/event/jssd70/top

株式会社地域創生Coデザイン研究所ポリフォニックパートナーの木村篤信が、第70回日本デザイン学会 春季研究発表大会にて、口頭発表セッションにて「社会システム転換による根本問題解決を志向するデザイン実践事例~社会システムデザイン方法論の検証を通じて~」の発表を行うとともに、座長を担当します。

日本デザイン学会は、1953年以来、デザインに関する学術的研究の進歩発展に寄与することを目的として活動を行っている学術団体です。デザインに関する多岐に渡る研究部会があり、プロダクトやファッションのデザインから情報や社会のデザインまで、幅広い実践や方法論の研究議論が行われています。
第70回となる今回の大会テーマは、「学びのデザイン」です。
「コロナ禍を契機に私たちは「気軽にオンラインでつながる」という手段を手に入れました。そしてICT技術の発達により「気軽に動画をアップロードして共有する」という手段も手に入れました。さらにはインターネット上にある膨大な情報を人工知能が分かりやすくまとめてくれるようにもなりました。さて、このような状況変化の最中にあって「学びはどうデザインするのがよい」のでしょうか?

「Youtubeでいいじゃん!」「オンラインでいいじゃん!」「AIに聞けばいいわ!」
そんな声も聞こえてきます。はたして大学で授業をする意味とは一体なんなのでしょう?この一方、私たちがこうして学会発表という名のもとに集うのもひとつの学びです。大会を運営するために皆が協力し合う中にも学びはあります。考えてみれば「学び」は私たちの身の回りの至るところに存在しているのです。

第70回を迎える今回の春季大会では、会期を通して学び合うのと同時に「これからの学びはどうデザインするのがよいか?」について皆さまと議論を深めたいと思います。」(日本デザイン学会HPより)

一方、株式会社地域創生Coデザイン研究所も、現代社会の社会システムの限界が多様な社会課題を生み出し、また、地域の持続可能性が失われつつあるという課題意識にもとづき、それを乗り越える手法として共創・Coデザイン・リビングラボ※1のアプローチに取り組んでいます。リビングラボは、「関係者による相互学習」が大きな特徴であり、社会課題解決に携わる、市民、行政、企業、大学が互いに学びあいながら、一意に答えが定まらない問題に対して試行錯誤をするプロセスそのものです。今回の大会テーマと重ねあわせると、リビングラボの実践や研究において得られた学びのデザインと、他のセッションで議論される学びのデザインが互いに深めあい、新しい示唆が生まれることに期待します。

そこで、本大会では、地域創生Coデザイン研究所にて検討してきた社会システムデザイン方法論※2について以下の発表を行います。

■発表タイトル・掲載論文
「社会システム転換による根本問題解決を志向するデザイン実践事例~社会システムデザイン方法論の検証を通じて~」(掲載論文はこちら

1:リビングラボとは、サービスの利用者である生活者と、サービスの提供者である企業・行政などが共にサービスを創る(共創する)方法論です。(引用:木村,(2021)「高齢者を支える技術と社会的課題」第5章 リビングラボの可能性と日本における構造的課題、(調査資料2020-6)国立国会図書館調査及び立法考査局

2:社会システムデザイン方法論とは、目の前に現れる“バケツの「水漏れ」”のような問題に対処するだけでは、問題が生じる構造は温存され、また同様の水漏れが生じるという問題意識から、バケツを巡る一連の水の出入りを構造的に捉えて転換する方法論です。

■第70回日本デザイン学会 春季研究発表大会「学びのデザイン」

    日程:2023年6月23日(金)~6月25日(日)
    会場:芝浦工業大学豊洲キャンパス
    主催:日本デザイン学会
    参加登録:申し込みフォームよりお申込みください。

■木村篤信が登壇するプログラム

    2023年6月24日(土) 

  • 8:00~11:00 
     テーマ口頭発表セッション「足元のWhyを問い直すデザイン」座長
  • 13:00~15:00
     口頭発表「社会システム転換による根本問題解決を志向するデザイン実践事例~社会システムデザイン方法論の検証を通じて~」
    1. プログラム詳細はこちら。

■木村篤信について

[写真]木村篤信
大阪大学、奈良先端科学技術大学院大学を修了後、NTT研究所に入社。企業内に閉じられたデザイン研究・実践の限界を感じ、社会に開かれたソーシャルデザインの研究・実践プロジェクトを立ち上げる。福岡県大牟田市、奈良県奈良市との共同実験プロジェクトを協働する中で、NTT西日本と理念を共有し、2021年、NTT西日本グループの子会社である地域創生Coデザイン研究所の設立に関与し、参画。現職。博士(工学)。デザインイノベーションコンソーシアム フェロー。東京理科大学 客員准教授。
主としてHCI、CSCW、UXデザイン、リビングラボの研究開発に従事。デザイン研究のチームを牽引し、企業のサービスデザインプロジェクト、地域のソーシャルデザインプロジェクトを多数実践し、コンサルティングや教育活動も行っている。現在は、「人々が主体的に共創できる社会」という地域創生Coデザイン研究所のビジョンに向けて、社会課題解決やウェルビーイング実現に向けたデザイン方法論やデザイン人材教育方法論などの研究・実践を主題にし、大牟田市などの地域パートナーとともに、まちづくり、地域経営、サービスデザイン、社会システムデザインなどの文脈で新しいソーシャルデザインのあり方を探求中。著書に「2030年の情報通信技術生活者の未来像」(NTT出版|2015年)など。
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