山間部や離島などのへき地では、医療機関の閉鎖やICTリテラシーの不足などにより、住民が必要な医療サービスを受ける機会が年々減少しています。島根県大田圏域(大田市・川本町・美郷町)においても同様の課題が顕在化しており、地域医療の持続可能性が問われています。
こうした背景のもと、令和6年度には「地域医療MaaSを活用した医師・看護師の代替者によるオンライン診療(D to P with X)の有用性に関する実証」事業を実施し、医療MaaS車両がへき地医療の課題解決に有効であることを確認しました。一方で、持続可能な運用モデルの構築にはさらなる検討が必要であることも明らかとなりました。
令和7年度は、昨年度の成果と課題を踏まえ、より実効性の高いモデルの確立をめざし、「複数医療機関・車両タイプによる医療MaaS車両共同利用モデル確立に向けた実証」事業(経済産業省 令和7年度地域新MaaS創生推進事業採択)を開始いたします。本事業には、昨年度に引き続き、社会医療法人仁寿会、地域創生Coデザイン研究所、NTT西日本 島根支店、MONET Technologies、島根大学、島根県立大学が参画し、新たに大田市立病院および石見銀山テレビ放送も加わります。
本実証では、複数の医療MaaS車両を用意し、複数の医療機関が共同で活用することで、地域に根ざした持続可能な医療提供モデルの構築をめざします。
(主な検証内容)
1.複数医療機関による医療MaaS車両の共同利用の実現可能性
2.複数タイプの医療MaaS車両活用による診療範囲および対象者の変化の検証
3.持続可能なビジネスモデルの構築可能性
弊所は、これまでの地域創生活動で獲得した医療・MaaSの専門知見を活用し、本事業では「実証推進支援」「データ分析」などの業務を地域事業者と連携し対応します。また、本事業の成果展開により、全国に多く存在する中山間地域での持続可能な医療サービスの提供に貢献するとともに、地域医療を担う医師・看護師の働き方改革にも注目しており、両面から地域社会に貢献します。
・実証事業期間
令和7年6月~令和8年2月
(※医療MaaS車両の運行期間は令和7年9月~10月を予定)
令和7年度採択結果・実証概要と令和6年度実証概要は以下のリンクをご覧ください。
・令和7年度採択結果・実証概要
https://www.meti.go.jp/policy/automobile/caseyosan/PDF/r7saitaku.pdf
・令和6年実証概要
https://codips.jp/news/20240926-2/
・先進技術の粋を集めた「医療MaaS」が、高齢化地域の社会課題を解決へ導く
https://www.jt-tsushin.jp/articles/case/jt64_codips#section3
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