Column 地域企業が合同で学ぶ!佐賀県「高卒新入社員定着支援事業」関連セミナーの開催を支援

キャリアデザイン/担い手/雇用/教育に関するレポートです。

地域企業が合同で学ぶ!佐賀県「高卒新入社員定着支援事業」関連セミナーの開催を支援

■取り組みの概要と私たちが込める思い

当社を含むNTT西日本グループが開催・運営を担う佐賀県「高卒新入社員定着支援事業」関連セミナーを2023年11月下旬より開講いたしました。
就職後3年以内離職率の全国平均が新規高卒就職者37.0%、新規大卒就職者32.3%にのぼる現状(※)に対し、本事業は地域企業の人材育成を支援するべく、人事担当者・若手社員の双方に「人材育成」の場を提供するものです。
 
具体的には、
①経営者・人事担当者向けセミナー
②入社1~3年目程度の高卒新入社員向けセミナー
という2種類のセミナーを開講し、来年2月まで佐賀県内の複数会場・日程で実施してまいります。
雇用者側には①のセミナーで「若手社員世代特有の考え方やその背景」を理解し、「動機付けにつながる向き合い方・伝え方」を学んでいただくことと両面で、若手社員自身には②のセミナーでOJTだけでは実現しづらい「仕事と向き合うマインド醸成」や「あらゆる仕事に共通するポータブルスキルの育成」を行います。
 
中小企業においては、毎年の新規採用社員の人数は必ずしも多くなく、自社内では同期や年齢の近い社員も限られます。私たちはそのような状況にある若手社員に対し、近しい立場で悩みや気付きを共有し合えるような「地域同期」を形成し、仲間の存在が地域に根差していく一つの支えとなってほしい、そして雇用者側にはその一番の理解者であり支援者であってほしいとの思いをもって本事業に取り組んでおります。
 
以下、2種類のセミナーの模様をご紹介するとともに受講者の方々から得られた声をご報告いたします。

■経営者・人事担当者向けセミナー

株式会社T&Dコンサルティングの増子 裕介氏を講師に迎えた本セミナーでは、具体的な場面・行動から若手社員との「世代間ギャップ」が生まれやすいポイントとその背景、どうすればそのギャップを前向きに乗り越えられるか、受講者同士のグループディスカッションも交えながら解説しました。
 
また、企業側が重視する「能力要件」は育成・訓練により変化しやすい項目と変化しにくい項目に分類でき、例えば「コミュニケーション力」は前者であるため、採用面接にあたっては表面的な話の巧拙にとらわれるべきではないことを強調しました。「粘り強さ」など、後者を適切に見極めるための投げかけや深掘りの重要性を面接官が認識しておく必要があることを示しました。
 
2023年11月20日(月)開催の佐賀会場では、受講者である経営者・人事担当者から
・若手社員のみならず、自分自身の知識やスキルも更新していかなければならないと感じた
・講師から紹介のあった「若手社員に伝わるフレーズ」をぜひ使っていきたい
・自分自身ではないつもりでいた「世代間ギャップ」が実はあったのだと実感させられた

といった声が上がるとともに、セミナーの中でつかめた改善イメージを早速会社に持ち帰って実践したいとのポジティブな声が多数聞かれました。

■入社1~3年目程度の高卒新入社員向けセミナー

前述の増子 裕介氏に加え、NTTビジネスソリューションズ株式会社の大野 誠司を講師として、2名体制でグループワークの比重を高めて進行しました。ビジネスゲームを活用した受講者間のチーム形成、これまでの業務の「棚卸し」を通じた自らの積み重ねや課題感への気付き、それを事前情報を持たない他者(チームメンバー)に対して言語化して伝えることの訓練や言葉にすることでの意識化などに取り組みました。
 
2023年11月21日(火)開催の佐賀会場では、受講者である高卒新入社員から
・コミュニケーションの重要性が意識でき、また自身のコミュニケーション力を高めていきたいと思った
・グループの他メンバーが取り組んでいることで印象に残った事柄があり、自分が仕事するうえでも同様の機会があれば取り入れてみたい
・他メンバーと良い仲間になっていきたい
といった声が聞かれました。
 
高卒新入社員向けセミナーは2日間コースでの実施であり、受講者はDay 1受講の後に1か月強の職場実践期間を経てDay 2に臨みます。この間も本事業で提供するビジネスチャットツールを用いながら、受講者同士の自主交流を深めていくこととなります。

■最後に

「地域の活力の源泉である若手人材が生き生きと働き、暮らし、自然とその地域に根差すことを選んでくれたら」という願いは多くの地域の皆さまに共通するものと考えています。
当社では、今回のような「地域企業合同の学び」の取り組みを通じ、誰もが自分らしいキャリアを実現できる地域づくりをご支援していけたらと考えております。
自治体関係者さまや地域の団体さまなど、本取り組みにご関心をお持ちの皆さまとぜひご一緒に取り組みの輪を拡げていければと考えております。どうぞお気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。
 
 
※厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00006.html

この記事を書いた担当者

横瀬 博行

ヨコセ ヒロユキ

Coデザイン事業部
プロジェクト推進チーム
研究主任 リードCoクリエイター

現地でのセミナー開催・運営に携わらせていただく中で、経営者・人事担当者の皆さま、高卒新入社員の皆さま双方のお立場から直接お話を伺う機会に恵まれました。経営者・人事担当者の皆さまからは「育成に取り組みたい気持ちの反面、社内の稼働やノウハウが限られて思うように取り組めていない」という課題感が、高卒新入社員の皆さまからは「自分が自信をもってできることを増やしていきたい」という成長意欲が多く聞かれました。
成長に向けている双方の目線や志は同じであるにもかかわらず、個社ではなかなか実現が難しい状況にあることをあらためて実感し、今回のような「地域企業合同の学び」をさらに拡げていきたいとの思いが深まりました。「地域の活力の源泉である若手人材が生き生きと働き、暮らし、自然とその地域に根差すことを選んでくれたら」という願いを持つ地域の皆さまとともに、今後も取り組みの輪を拡げていければと思います。