『東峰村の強みを生かした持続可能な街づくりについて考えるワークショップ』を開催
地域創生Coデザイン研究所はNTT西日本九州支店とともに、東峰村の現状分析と進むべき方向性とめざすべき将来像の設定をゴールとしたワークショップを実施しました。
■東峰村のまちづくりの取り組み
東峰村は福岡県中央部の東端に位置し、大分県日田市と隣接しています。のどかな里山や綺麗な湧き水など自然豊かな中山間部にある人口2,000人弱の小さな村です。
東峰村では、昨今の少子高齢化による急激な人口減少、2017年7月九州北部豪雨災害の影響によるJR日田彦山線の損壊など自然災害に見舞われ、地域経済や交通、防災面で多くの課題を抱えています。
そこで東峰村では地域経済の活性化、持続可能な地域交通の実現、安心安全なまちづくり、医療・福祉の充実をテーマに地域DXによるウェルビーイングライフの実現をめざし、地域の産官学金言の事業者から成る「東峰村DX推進評議会」を立ち上げ、持続可能なまちづくりに取り組んでいます。2023年度はまずは地域経済DXを進めるべく、デジタル地域通貨「とほっぴペイ」を導入し、プレミアム付商品券および住民給付型の生活応援券のデジタル化を行いました。今後はこのデジタル地域通貨を基盤とした自治体アプリでの活用などについて議論を進めています。
■ワークショップ開催
まちづくりへの取り組みの一環として、東峰村役場小石原庁舎において「東峰村の強みを生かした持続可能なまちづくりについて考えるワークショップ」が開催されました。
参加者は主に東峰村の未来を担う20~30代の若年層の方を中心に総勢18名、東峰村の職員や窯業関係者の方、地方メディアの方、地域おこし協力隊の方、地方金融機関の方などさまざまな方にご参加をいただきました。
ワークショップ全体の流れとしては①SWOT分析②クロスSWOT分析③東峰村がめざすべき将来像(理想の村のありかた)を描くという流れで3回のグループワークを実施しました。
東峰村の強みとして、豊かな自然環境あることなどの意見の他、ネット購入の配送拠点が近くにあり、生活品の調達が意外と便利といったものや村民の方が温かい方が多く、人のつながりの強さがあるなど生活者ならではの視点の意見もあり、参加者は意見交換を楽しんでいらっしゃいました。
最終的な東峰村のめざすべき将来像の設定として、4グループで東峰村が特徴的なまちとして将来もあり続けるためのコンセプトを設計し、本ワークショップは終了となりました。
■参加者の声
・SWOT分析を初めて知り、面白いディスカッションの方法だと思いました。今後も取り入れていきたいと思います。
・議論を継続していくことが大事だと思いました。
・いろんな会話を通じて東峰村の良いところ、悪いところが上がりましたが、村民の皆さまが温かいという意見が多くみられました。
・若者の方はECサイトなどを活用して買い物の不便さを解消しているとのことで、高齢者の方との情報格差をどう埋めていくべきか考えるべきだと思いました。
ワークショップ実施後アンケートでは上記のような感想をいただきました。また18名全ての方に意見を充分に述べることができたと回答をいただきました。
各チームのグループワークではかっ達な意見交換が見られ参加者にとって満足度が高く、有意義なワークショップであったと感じております。
またアンケート内において「東峰村DX推進評議会」で検討を進めている地域経済・健康・交通・防災の観点で最も課題と感じていることとして過半数の方から交通に関することという回答を得ました。
直近の交通課題に関する東峰村の取り組みとしては、東峰村はJR九州との折衝を経て、2017年7月九州北部豪雨災害以降当時のJR日田彦山線の線路跡地をバス専用道としてBRTの形で2023年8月に再開させました。村民の方と観光客の方向けの交通インフラの整備は持続可能な東峰村としてあるための重要課題であると東峰村も認識しており、参加者の声は「東峰村DX推進評議会」にて議中に議題として取り上げていきたいと思っています。
■今後の展望
ワークショップは、住民の方の意見を伺うことで、行政と住民のまちづくりに対する思いのベクトルを合わせることができるツールであると考えています。
少子高齢化による複合的な課題が絡みあう昨今では、まちづくりは行政のみが主導で行うものではなく、住民参加によって地域全体で進めることが持続可能なまちづくりの在り方になっていくと思います。
本取り組みはさまざまな地域で横展開可能なものであると考えており、引き続き展開を続けて参りたいと思います。