Column 「こでざと」1期生有志が企画・運営!1年間の活動を共有する「公民共創で社会を変えたい in OSAKA」を開催

地域創生Coデザインカレッジに関するレポートです。

「こでざと」1期生有志が企画・運営!1年間の活動を共有する「公民共創で社会を変えたい in OSAKA」を開催

「公民共創で社会を変えたい in OSAKA」

株式会社地域創生Coデザイン研究所(代表取締役所長:北山泰三)は、2024年3月11日(月)に「公民共創で社会を変えたい in OSAKA」 Supported by 地域創生Coデザインカレッジ「こでざと」を、オープンイノベーション施設 「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」(大阪府大阪市都島区東野田町4丁目15番82号)にて開催いたしました。はじめに、弊所取締役の中村から「こでざと」や会の主旨(1期生有志によるこでざと修了後の取り組み共有と交流)についてご紹介、続いて「こでざと」第1期の講師を務めていただいた事業構想大学院大学の河村教授よりご挨拶をいただきました。第一部では、2022年の10月から2023年の3月までの地域創生Coデザインカレッジ「こでざと」第1期生から5名の方に、卒業後の1年の活動を発表いただきました。第二部では、アウトドアに見識のあるナチュラルスタイル 事業部長の田渕氏をゲストに迎え「アウトドアによる地域活性化」をテーマとした特別講演と、 さらに河村教授と「こでざと」第1期生を交えたパネルディスカッション「アウトドアは地域に人を呼べるのか?」を行いました。
当日はZoomでのライブ配信も実施し、現地参加できなかった1期生はじめ、各地から多くの方々にリモートでご参加いただきました。

<第一部>カレッジ「こでざと」第1期生 活動発表

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「獣害防止柵の点検」 

関西電力送配電株式会社 企画部 新規事業グループ 梶木 亮

「こでざと」第1期の時に、丹波篠山市役所の方と同じ班になり、丹波篠山市の山の中に設置されている「獣害防止柵」の存在を知りました。総距離が東京⇔大阪間とほぼ同じ約460㎞と長く、またボランティアの減少や高齢化もあり、点検・維持管理が課題としてありました。
このテーマに対し、まず点検の負荷を低減するためのアプリを作り、登山者や山に入る方にフェンスが損傷しているところを撮影して投稿してもらい、地域の方に共有していただくことにしました。
これまでは、地域の方が点検に行って、フェンスが壊れているところに資材をもって修理しにいくという2回現場に行っていたところが、アプリから共有された位置に向かうことで1回で済むようになった。登山者などはアドベンチャーとして楽しみながら参加できるため、地域の方と登山者など参加者間で「価値の循環」を促進し、事業として継続していくことをめざしています。

「こでざと終了後の1年を振り返る活動発表」

共創デザイナー 町山 和生

現在、横浜を中心に共創をテーマにして活動。この一年間は【よこはま共創コンソーシアム】のメンバーとして横浜市政策局共創推進課と一緒に各プロジェクトを企画運営。
・第5回全国リビングラボネットワーク会議(事務局運営・広報担当) 
・国立福島大学 地域未来デザインセンターさま    
ソーシャルアントレプレナーシッププログラム社会課題「自分ゴト化」プログラム(横浜受け入れチーム・企画運営)
・みなとみらい21地区 40周年記念事業 eスポーツ大会(企画運営)
・横浜国立大学アーバニストスクールプログラム イノベーションネイバーフッド
(セントラル関内地区に残る文化・歴史的資源を活かした施策と空間を提案するにあたり、Bar Bar Bar旧店舗のメモリアルプロジェクトを企画運営)

現在も多数のプロジェクトが進行中。今後も共創をテーマに活動して参ります。

「地域課題解決型ワーケーションと地域活性化」

ビッグローブ株式会社 ONSEN WORKリーダー 長島 隆

ONSEN WORKという温泉地で行うオフサイトミーティングのプロデュースを事業として行っております。温泉地で行うメリットとして「湯治」による健康増進効果と非日常空間による新しい発想が生まれることがあります。また、温泉地(地域)では平日の稼働率があがったり、法人の利用により単価が向上するため、地域と社員と企業の三方よしの効果があります。2023年度は159団体1254人の方に利用していただきました。
ONSEN WORKは4つのバリエーションがありますが、その中でも「社会課題解決スタイル」で地域の生の課題解決に貢献しながら、自社強化を狙うスタイルを広めていきたい。また、リピート利用を促進することもめざしています。

「これからの子どもや社会の為に、地域活性に繋がる活動を行っていく」

三代目ざぼん株式会社 下原 裕隆

2年前まで、酒類メーカーに勤務しておりましたが、現在、実家の鹿児島と福岡を行き来し、地域貢献や地域活性化につながる取り組みを行っております。
鹿児島では「空き地空き家」で相続放棄した場所のマッチングビジネスの構築や、露地栽培バナナの栽培(苗植えして5~6年後の収穫を目標)を行っています。また、養殖カンパチの残渣活用として、カンパチの頭や中骨を出汁に活用できないかという提案を食品や健康食品の会社に行っています。
目に見えた結果は、まだまだ、出ておりませんが、大変有難いことに、さまざまな御縁の中から、「(一社)マリーナ&ホテルシップ」(マリーナ運営や宿泊・避難用の客船)、「(一財)地域社会課題解決研究所」の2団体の理事を拝命し、これまでの経験や人脈を活かして行きます。

「地域と企業をつなぐ市民共働コミュニティ」

越境コーディネーター 望月 啓太郎

福岡県福津市在住で、福岡を拠点にパラレルワーク中です。その中で福津市の未来共創センターでの取り組みを紹介します。
福津市は、福岡市と北九州市のちょうど間に位置し、アクセスのいい自然豊かな場所です。近年、宅地開発や商業施設誘致により人口が増加しており、市民共働による「まちづくり」の取り組みも盛んです。また市民幸福度調査が全国平均を上回り、2019年にはSDGs未来都市に選定され、持続可能でWell-Beingな「まちづくり」をめざしています。
未来共創センターでは、めざすまちの姿に向けて市内外の産官学民の団体、個人のハブとなり、新しいつながりを生み出すキッカケづくりをしています。私自身地域と関わりたいと思った時に、どう始めていけばいいかわからないという悩みを経験したため、地域で何かを始めたい、という想いがつながるキッカケが見つかる市民コミュニティづくりや、パラレルワーカーという働き方を活かして、企業との共働共創の機会づくりにチャレンジしています。
企業の皆さま、ぜひ福津とご一緒しませんか?

「こでざと」第1期生各々の活動発表後、河村教授から第1期生の各取り組みについてのアドバイスをいただきました。
問題意識を持つ姿勢から始め、課題を見つけていく過程やそのテーマをワクワクする形にしていくことが重要であること、つながりをつくるために多様なコミュニティに参加し、チャレンジしながら参加者を増やしていくこと、参加するコミュニティの中で主体的に動いていくこと、取り組みを継続するためにビジネスモデルを構築していくことが地域創生に大切だとお話いただきました。

<第二部・特別講演>『アウトドアによる地域活性化』

特別講演『Outdoor activityの知識や技術を活用した地域創生について』
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講師:田渕 幹敏氏
株式会社 ナチュラルスタイル 事業部長/山徨社 sankousya 代表
株式会社 好日山荘 AX プロジェクト 事務局長補佐
一般社団法人 日本山岳レスキュー協会 理事長補佐 

元々は株式会社 光通信と言う商社で法人向けの事業を管轄していたが、今は登山やロッククライミングの世界に身を置き、山岳ガイド事務所・山岳専門小売・山岳レスキューなどの事業を中心に活動しています。近年、アウトドアアクティビティが地域創生のコンテンツとして注目されていますが、どういう効果が出るのか、以下の効果についてご紹介いたします。
①地域創生・地域活性化
②防災・減災
③健康寿命の伸長と余暇の充実
④ユニバーサル社会の実現
地域では、獣害による被害・医療の不足、地域コミュニティの機能低下といった、さまざまな問題を抱えていますが、それは少子高齢化、人口減少、地域経済の衰退が大きな要因です。その問題に対して、何か新しいもの作ることではなく「今あるもの」を活用することがとても重要です。地域の「あたりまえ」が都市住民の「あたりまえ」とは異なることが気づきになり、地域創生とアウトドアアクティビティは親和性が高いと考えています。例えば、「火起こし」「ロープを結ぶ」など、地域ではあたりまえにある知識を都市住民がお金を払ってでも学びたいと思っていることがあります。それがビジネスとして成り立つのであれば、地方コミュニティの内包する可能性はとても高いと考えています。さらに、ナイフや竹を使ってカトラリーを作ったり、ナイロン袋での調理や浄水器を利用したろ過の方法など、災害対策に直接的に役立つ知識も結びついています。また、ビーコンを活用した宝さがしゲームなど楽しみながら学べるような工夫も行っています。各地域でツアーや親子のキャンプ体験、ゴミ拾いを行い、コミュニティが集まるきっかけを生み出したり、車いすの方でも自然の中を楽しめる試みなどを展開しています。これからも地域やアウトドアの価値を高めていきたいと考えています。

<第二部・パネルディスカッション>『アウトドアは地域に人を呼べるのか?』

第二部の後半では、講演でお話いただいた田渕氏、事業構想大学院の河村教授と第1期の中から4名を交えて、パネルディスカッションを行いました。リピートで地域に人を呼ぶためには、アウトドアではコンテンツ自体を楽しく提供し、ワーケーションでは地域にある独特の何かがあることが大事であり、その点で高尾は上手に地域性を活かしています。

アウトドアとDXの事例では、YAMAP(登山アプリ)が有名。神戸市と連携し、ビーコン機能だけでなく登山道の修理の優先順位を決定する際にも活用されています。食という観点では、ジビエや山菜など独自の食材を活かし、地域経済を循環していけるようにホテル内だけでなく、地元のお店での食事を推奨しています。
人を呼ぶということについては観光公害にもつながる懸念もあるため、バランスをとることが非常に大切です。また、移住者は意外とアウトドアや自然に関わっていなかったりするので、相手の視点に立ち、共感を得ていくことが必要であることなど、幅広くディスカッションを行いました。田渕氏は「全く違うジャンルで活動をされている方々とお話してすごく刺激を受けました。私自身は自然の中での活動は人間の生きるということに近い行為でエネルギーになると思っており、地域創生の力になると思っています」とお話しになりました。

河村教授は「シンプルなところから始めて、いろいろな会社の専門知識や山のプロや大学と連携し、アウトドアをテーマに実験的なアプローチから認知度を高めていくことが良いと思います。ディスカッションは、話をまとめることより、自分もやってみようとか気づきやヒントを見つけてもらうことが大切で、共創の可能性を探っていく手助けと考えて頂ければよいと思います。地域の方は何もないというが、他の人からみたら特別な魅力があるかもしれないという可能性に目を向けるべき」と総括されました。

<開催概要>公民共創で社会を変えたい in OSAKA
         Supported by 地域創生Coデザインカレッジ「ごでざと」

【日時】2024年3月11日(月)
【時間】13:00~16:30
【会場】QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)(大阪府大阪市都島区東野田町4丁目15番82号)
【内容】
13:00~
 地域創生Coデザイン研究所 取締役 Coデザイン事業部長 兼 戦略企画部長 中村彰呉ご挨拶
 事業構想大学院大学 教授 河村 昌美氏より ご挨拶
(地域創生Coデザインカレッジ「こでざと」第1期講師)
13:20~
<第一部> カレッジ「こでざと」第1期生 活動発表 
14:30~
<第二部> 特別講演
「Outdoor activityの知識や技術を活用した地域創生について」
       山徨社 sankousya 代表
       株式会社 ナチュラルスタイル 事業部長
       株式会社 好日山荘 AX プロジェクト 事務局長補佐
       一般社団法人 日本山岳レスキュー協会 理事長補佐 田渕 幹敏氏
14:50~
パネルディスカッション「アウトドアは地域に人を呼べるのか?」
15:30~
交流会                     

【主催】地域創生Coデザイン研究所 【共催】事業構想大学院大学

この記事を書いた担当者

奥田 直哉

オクダ ナオヤ

戦略企画部
コミュニケーション戦略チーム
プロデューサー

地域創生Coデザインカレッジ「こでざと」第1期生有志による企画イベントで、カレッジ修了後の皆さまの取り組みや地域創生への想いを改めて体感できる良い機会となりました。