Column 森林分野のカーボンクレジットの創出に向けて(京都府京丹波町)

GX(グリーントランスフォーメーション)に 関するレポートです。

森林分野のカーボンクレジットの創出に向けて(京都府京丹波町)

J-クレジット創出に向けた森林の調査を実施しました(京都府京丹波町)

 地域創生Coデザイン研究所ではGX(グリーントランスフォーメーション)の取り組みを通じて地域のパートナーとともに持続可能なまちづくりをめざしています。今回、京都府京丹波町で森林の調査を実施したので、ご報告します。

 京丹波町は京都府の中央部、丹波高原の由良川上流部に位置し、2005年10月11日に丹波町・瑞穂町・和知町が合併して誕生しました。自然豊かな約303平方キロメートルのまちは、標高400~900メートルの緑深き山々に囲まれ、南側の山地は分水嶺の一部を成しています。

 京丹波町では現在、森林資源を活用したJ-クレジットの創出をめざしており、今回、創出にあたって必要な森林のデータの測定を行いました。

 J-クレジット制度では、二酸化炭素の吸収量が「クレジット」として国に認証されますが、森林分野においては森林管理のプロジェクトを通じて、当該地域の森林の成長による吸収量を算定し、クレジットとして認証申請することができます。森林の二酸化炭素の吸収量の算定にあたっては、対象地の面積とともに森林の「地位」を測定することが必要です。森林の「地位」とは対象地の樹高などの計測によって特定される、森林の生産力を示す指数のことで、「地位」によって、単位面積あたりの森林の成長量が変わることから、二酸化炭素の吸収量も変わります。そのため、クレジット認証にあたっては「地位」は非常に重要なパラメータとなります。

 今回、調査を実施するにあたっては、京丹波森林組合様にご協力いただき、対象地の状況について、森林計画図や森林のデータベースをもとに丁寧に確認を行いました。そして、位置情報を確認しながら、対象地の森林に入っていきました。

 対象地では、範囲内の樹木について、レーザを用いた定められた機器を使って樹高を測定し、記録していきました。また、地面から1.2~1.3メートル程度の木の直径を測定しました。
 今回測定したデータや面積の情報などをもとに、対象地の二酸化炭素の吸収量を算定し、クレジット認証をめざしてまいります。

 今後、地域創生Coデザイン研究所では、本調査に基づくJ-クレジットの創出・活用を通じてカーボンニュートラルの実現を支援するとともに、京丹波町の林業・木材産業の活性化を図り、地域活性化の実現に貢献していきます。

この記事を書いた担当者

垣内 洋次郎

カキウチ ヨウジロウ

GXチーム
研究主任 リードCoクリエイター

 今回、J-クレジット創出にあたって非常に重要なポイントであり、正確性を求められる調査業務を実施しました。非常に緊張感のある業務であり、京丹波森林組合様と連携のもと、丁寧な作業が実施されました。今後も地域創生Coデザイン研究所では、J-クレジット創出・活用を通じたカーボンニュートラルの実現や地域産業の活性化に向けて活動してまいります。