Column 奥四万十の観光の未来をデータとAIで考える。
「奥四万十観光ステップアップセミナー」で共有された実践と視点

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奥四万十の観光の未来をデータとAIで考える。
「奥四万十観光ステップアップセミナー」で共有された実践と視点

四国 高知県

奥四万十の観光の未来をデータとAIで考える。
「奥四万十観光ステップアップセミナー」で共有された実践と視点
 

2026年3月25日、高知県津野町にて、奥四万十地域の観光関係者・行政・事業者を対象とした『奥四万十観光ステップアップセミナー(全3部)』が開催されました。(一社)奥四万十高知は2025年10月に観光庁より「候補DMO」として認定されており、本セミナーは、DMOとしての取り組みを本格化させる節目となる機会です。

地域創生Coデザイン研究所は、NTTビジネスソリューションズ高知ビジネス営業部と連携し、これまで奥四万十高知DMOに対する伴走支援を実施してきました。高知県内の観光関連データをTableauで可視化するとともに、奥四万十高知の公式ホームページのアクセスログデータを分析し、現状把握や課題整理、SNS施策の検討など、データを起点とした実践的な支援を重ねてきました。

セミナーの「デジタルデータとAIで進める、これからの奥四万十観光」では、まずセールスフォース・ジャパンの徳政由美子氏より、生成AIの活用が注目を集める今だからこそ、その前提として「正しく蓄積されたデータを可視化し、関係者間で共通認識を持つことの重要性」が改めて示されました。AI活用を進めるうえでも、まずは人がデータを理解し、議論できる土台を整えることが、データ分析や生成AI活用を進めていくうえで欠かせない視点であることをわかりやすくご説明いただきました。
 

続いて登壇した地域創生Coデザイン研究所の玉井誠は、こうした考え方を実践に落とし込んだ事例として、奥四万十高知DMOが実施した「泊まらんと!巡らんと!キャンペーン」におけるアンケートデータ活用を紹介しました。講演では、これまでに蓄積されてきたアンケートデータをTableauで可視化し、来訪者の属性や行動傾向、満足度などをダッシュボードとして整理してきたことをご紹介し、実際の画面を使いながら、DMOや事業者が同じ情報を見て、同じ視点で議論できる状態をつくることの重要性を説明しました。

さらに、そのダッシュボードを起点に、生成AIを組み合わせた分析プロセスをハンズオン形式で紹介しました。参加者と画面を共有しながら、「どんな問いを立てるか」「その問いをどう生成AIに投げかけるか」を一つひとつ確認し、対話を重ねながら示唆を引き出していく進め方です。あらかじめ答えを用意するのではなく、人が考え、AIとやり取りしながら気づきを深めていく。AIに任せきるのではなく、人とAIが役割を分担しながら考えることで、施策検討につながるヒントを得ていくというアプローチが、具体的な操作イメージとともに共有されました。この「人が主語となり、AIを思考の補助として活用する」姿勢は、限られた人員で観光施策を進める地域にとって、現実的で再現性の高い方法といえます。

講演を通じて伝えられたのは、データやAIは目的ではなく、地域の関係者が共通の視点で考え、次の行動につなげるための“道具”であるという考え方です。

一般社団法人 奥四万十高知 事務局長 冨岡哲也氏

(一社)奥四万十高知は、2025年10月1日付で観光庁より「候補DMO」として認定されました。今後はDMOとして、奥四万十エリアの観光業発展と地域の「稼ぐ力」を引き出し、「住んでよし、訪れてよし」の観光地づくりに取り組んでまいります。

その実現に向けては、行政、各種団体、事業者など、多様な関係者が共通認識のもとで観光に取り組むことが重要です。このたび、その第一歩として『奥四万十観光ステップアップセミナー(全3部)』を開催いたしました。

第1部では、体験プログラムにおける安全管理と受入体制の重要性について、第2部ではデータやAIを活用したこれからの観光の進め方について、第3部では奥四万十全体で観光地域づくりを進めていく方向性について、それぞれ講演いただきました。

今回のセミナーを通じて、個々の取組をつなぎ、地域全体として観光を捉えていくことの重要性を改めて認識する機会となりました。今後もこうした取組を重ねながら、奥四万十らしい観光地域づくりを着実に進めてまいります。

この記事を書いた担当者

吉田 夏菜

ヨシダ カナ

研究主任
リードCoクリエイター

令和7年度、NTTビジネスソリューションズ高知ビジネス営業部とともに、奥四万十高知DMOの伴走支援に取り組み、データに基づく観光地経営を実践的に進めてきました。公式サイトの閲覧動向分析やInstagram広告の効果検証、キャンペーンアンケートのTableau可視化などを通じて、感覚ではなく事実をもとに現状を捉え、次の施策を検討するプロセスを積み重ねてきました。
そして今回のセミナーを通じて、データを可視化し同じ情報を共有することの重要性が改めて示され、関係者が共通認識のもとで観光を考える土台が整いつつあることを実感しました。
奥四万十高知には、自然・食・体験など魅力あるコンテンツが数多くあります。ぜひ現地を訪れ、奥四万十高知の魅力を体感してください。

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