障がい者雇用
私たちは、これまで通り住み慣れた地域に住み続けることができる新たな地域社会作りにチャレンジしています。特に地域社会では高齢化や労働人口不足は顕著で、社会維持が困難になりつつあります。私たちは、「障がい者雇用」と「地域企業DX」を融合することで、そこに働く住民と地域企業の目線から、サステナブルな地域社会をめざしています。
「障がい者雇用」においては、様々な障がいの特性を知り、障がい者の思いに寄り添い、必要な時に必要なサポートができること、いわゆる合理的配慮の考え方を持ち、様々な「違い」を相互理解できる仕組みを作り、企業・団体で実践することで、働きやすい職場を形成する。「地域企業DX」においては、DXによる業務見直しに加え、効率化した業務を障がい者が担う、また、企業内で障がい者1人分に満たない業務は複数企業分の共通業務を集約し障がい者が担える仕組みを整備する。このような考え方により、障がい者雇用と地域企業DXの両輪を進めサステナブルな地域社会をめざします。
環境をつくり、
多様な個性と能力を
発揮させる
障がい者雇用の中でも、特に企業の課題になりやすいのが、精神障がい者の雇用です。背景には、企業の障がいに関する理解や雇用、職場定着のノウハウ不足があげられます。そのため、障がい者にどのような業務に携わってもらうかがわからず、職場の体制を整えられていないという状況に陥ります。例え、障がい者を雇用したとしても、その人の能力と職場で求められる能力が合わないと、早期の退職につながるかもしれません。だからこそ重要なのが、企業が障がいを理解し、障がい者が個性や能力を発揮できる仕事に就けるようになることです。
地域一体で
障がい者の共同雇用を
図る仕組みづくり
障がい者が個性や能力を仕事で発揮していくには、地域企業とその地域で暮らす障がい者が一体となって働ける場をつくることが不可欠。地域企業で障がい者を直接雇用し、健常者と同じ職場環境で働くことが基本ですが、自社で障がい者を雇用・育成するノウハウがない場合や障がい者が行う業務が一人分に満たない場合は、例えば事業協同組合の枠組みを活用し、DXによりアウトソーシングした複数企業の業務を事業協同組合に集約し、事業協同組合で共同雇用した障がい者が業務を行うことも有効な手段です。企業や団体には、NTT西日本グループでの成功要素(2021年度の障がい者社員入社1年以内の定着率95.1%の実績を生み出すマネジメントノウハウ活用など)を取り入れ、ICTツールを使い、これまでの福祉的就労ではなく、一般就労での活躍を見据えた障がい者が活躍し成長できる仕組みをつくりたいと考えています。その一つとして、企業で保管中の紙の契約書類などをスキャニングし、クラウドにアップロード、データを分類するタグ付けのトライアルを障がい者に協力いただき実施。書類をクラウドで閲覧する、ペーパーレス化によってどのような効果が得られるかを、実際の業務を通して検証し、同時に業務効率化も図るという取組みを行っています。
多様な人材が
個性と能力を発揮し、
企業DX化を推進
地域企業と障がい者が一体となって働ける場をつくることで、障がい者は個性や能力を最大限に活かすことができ、自身の成長や役割・役職のステップアップも実現できる職場環境で働くことができます。また、企業は人手不足解消とともにDX化推進を図ることができ、事業協同組合の活動を通じて得た障がい者とのコミュニケーションノウハウやマネジメントノウハウを活かし、障がい者の自社雇用の流れを生み出します。それは多様な人材の活躍につながること。障がい者の就労機会を拡大し、それぞれが持つ個性と能力を活かすことで、障がいのある社員はもちろん、企業も成長していく。そのような持続可能な社会を、障がい者雇用を通して実現したいと考えています。