木村篤信がDesignシンポジウム2023にて「リビングラボプラットフォームの実践知共有フレームワーク:リビングラボ曼荼羅」の発表を行うとともに、ディスカッサントを担当します
Designシンポジウムは、設計やデザインの研究や教育の重要性の高まりと、分野横断的な議論の必要性の高まりを背景として、企画されました。精密工学会、日本デザイン学会、日本機械学会、日本設計工学会、日本建築学会の5学会は、「設計」や「デザイン」を包含する上位概念としての“design”を対象としたシンポジウムを2004年7月に開催し、その後、人工知能学会を加えた6学会共催による隔年のシンポジウムとして、多様な参加者による分野横断的な議論の場として継続的に開催してきています。
気候変動をはじめとしたエコロジーの問題、多様性・公正・包摂といった倫理の問題、グローバル化したサプライチェーンの脆弱性のような経済の問題などdesignの課題は複雑にからみあっており、専門分野内部の論理だけで理解することが難しくなっています。さらに近年の新型コロナウイルス感染症のもたらした混乱や、人工知能をはじめとした情報技術の進化は、そうした問題の複雑化を加速させています。designを共通の鍵とした分野横断的な議論によって、この状況に展望を描くために、本年度のシンポジウムは開催されます。
一方、地域創生Coデザイン研究所は、現代社会の社会システムの限界が多様な社会課題を生み出し、また、地域の持続可能性が失われつつあるという課題意識にもとづき、それを乗り越える手法としてセクターを超えた共創・Coデザイン・リビングラボ※1のアプローチに取り組んでいます。これは、Designシンポジウムが主題とする複雑な社会課題に対して、designを鍵とした分野横断的な実践に取り組んでいるということができます。
そこで、リビングラボという方法論を手掛かりにしながら複雑な社会課題に対して実践してきた知見や方法論について深めるため、Designシンポジウム2023にて、リビングラボの実践知共有に関するテーマで発表を行います。
「リビングラボプラットフォームの実践知共有フレームワーク:リビングラボ曼荼羅」(2023/10/9口頭発表セッション)(掲載論文はこちら)
1:リビングラボとは、サービスの利用者である生活者と、サービスの提供者である企業・行政などが共にサービスを創る(共創する)方法論です。(引用:木村,(2021)「高齢者を支える技術と社会的課題」第5章 リビングラボの可能性と日本における構造的課題、(調査資料2020-6)国立国会図書館調査及び立法考査局)
Designシンポジウム2023
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- 日程:2023年10月8日(日)~10月9日(月)
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- 形式:対面 & 一部オンライン
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- 共催:日本建築学会、日本機械学会、日本設計工学会、精密工学会、人工知能学会、日本デザイン学会
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- 参加登録:以下の申し込みフォームよりお申込みください(外部サイト)
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https://d-sym.jp/2023/Bsanka2023.html
■木村篤信が登壇するプログラム
2023年10月9日(月)
・セッションディスカッサント「Design方法」
・セッション発表「リビングラボプラットフォームの実践知共有フレームワーク:リビングラボ曼荼羅」
■木村篤信について
大阪大学、奈良先端科学技術大学院大学を修了後、NTT研究所に入社。企業内に閉じられたデザイン研究・実践の限界を感じ、社会に開かれたソーシャルデザインの研究・実践プロジェクトを立ち上げる。福岡県大牟田市、奈良県奈良市との共同実験プロジェクトを協働する中で、NTT西日本と理念を共有し、2021年、NTT西日本グループの子会社である地域創生Coデザイン研究所の設立に関与し、参画。現職。博士(工学)。デザインイノベーションコンソーシアム フェロー。東京理科大学 客員准教授。
主としてHCI、CSCW、UXデザイン、リビングラボの研究開発に従事。デザイン研究のチームを牽引し、企業のサービスデザインプロジェクト、地域のソーシャルデザインプロジェクトを多数実践し、コンサルティングや教育活動も行っている。現在は、「人々が主体的に共創できる社会」という地域創生Coデザイン研究所のビジョンに向けて、社会課題解決やウェルビーイング実現に向けたデザイン方法論やデザイン人材教育方法論などの研究・実践を主題にし、大牟田市などの地域パートナーとともに、まちづくり、地域経営、サービスデザイン、社会システムデザインなどの文脈で新しいソーシャルデザインのあり方を探求中。著書に「2030年の情報通信技術生活者の未来像」(NTT出版|2015年)など。
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