Column 男木島灯台サマポケ祭りの開催協力

観光/Maasに関するレポートです。

男木島灯台サマポケ祭りの開催協力

■男木島灯台サマポケ祭り

私たち、地域創生Coデザイン研究所は、2023年8月26日(土)に開催した特定非営利活動法人男木島観光協会主催の「男木島灯台サマポケ祭り」に、NTT西日本香川支店を含むNTTグループとともに、イベント運営支援や最先端のICT技術を用いた実証実験を実施することで、地域観光分野における経済効果、事業性や地域振興・関係人口の拡大につなげるための検証などの支援を行いました。
香川県・男木島はゲーム「Summer Pockets REFLECTION BLUE」※1の舞台となった島で、男木島灯台サマポケ祭りの当日はゲームのファンの方々を中心に約600名が男木島にご来島されました。NTTグループが支援した実証実験ブースにも多くの方にお越しいただき、大変ご好評いただきました。
※1 「Summer Pockets REFLECTION BLUE」は株式会社ビジュアルアーツ/Keyが開発・販売するゲーム作品

■最先端のICT技術を用いた実証実験

当日NTTグループが支援した実証実験は下記の4点です。

・男木島内の聖地や観光スポットに関する情報※2をARグラス上に表示し、実際の風景を見ながら情報を同時に閲覧できる新しい観光ガイド体験を提供。
※2 ゲームに登場する2D素材や案内情報をまとめたテキストなど

・ゲームに登場するキャラクターである紬ヴェンダース(声:岩井映美里)の声を音声合成技術にて再現。リアルタイムで参加者の名前を含めた合成音声を作成し、参加者に披露。
・その他、男木港~高松港間のフェリー船内にて、クロスリンガル音声合成技術※3を用いて作成した日本語および英語による船内アナウンスを実施。
※3 一言語の音声から日本語、英語、標準中国語、韓国語等の合成音声を生成できる技術

  • 〇「TENGUN Ogijima プロジェクト 」VR体験(技術協力:NTT人間情報研究所)

・現地で計測した膨大な情報をもとに、没入感の高いフォトリアルなVR空間として再現された男木島メタバース上にゲームに登場するキャラクター(2D)を投影し、ゲームのワンシーンを再現。3つのシナリオを準備し、参加者はVR空間上でそのワンシーンを体験。

  • 〇裸眼XR相席対話システム体験(技術協力:NTT人間情報研究所)

・ゲームに登場するキャラクターを、鏡の世界に立体的に再現。参加者は何も装着しない状態で、鏡の前の椅子に座るだけで、バーチャルなゲームキャラクターと同じ空間で超至近距離のコミュニケーションを体験。

■検証結果

  • ①経済効果について

アニメ・ゲームのファンによる聖地巡礼は、コンテンツ提供場所への訪問だけではなく、地域への大きな影響をもたらすことがわかりました。(観光協会のグッズ売り上げは通常の繁忙期のおよそ14倍)

  • ②XRの事業性について

聖地巡礼での体験コンテンツとしてXR(AR、VR)は非常に親和性があり、ここでしか体験できない希少性は参加者の満足度向上に繋がることがわかりました。NTTグループとしても事業性は十分にあると感じております。

  • ③地域振興・関係人口の拡大

アンケートによって、今後も男木島に関わっていきたいと答えていただいた方が約84%と非常に高い結果となりました。

■今後の展望

日本全域におけるアニメツーリズムの市場規模は2023年では7,000億円を超えるほどと言われており、さらに期待ができるものと考えております。本実証実験を通してアニメツーリズムが地域活性化に貢献できると検証されたことから、今後地域創生Coデザイン研究所は、XRを活用したコンテンツの造成およびそれに向けたコミュニティ形成を展開していくことを検討しております。
また、今回のイベントの成功は、地域住民の皆さまのご理解とお力添えがあってこそだと考えます。地域創生Coデザイン研究所は、これからも地域住民の皆さまのご理解と共感を得たうえで地域活性のイベントなどの実施ができるよう努めてまいります。今回の成功を基に、他の地域でもコミュニティ形成、観光客の周遊促進、来場促進を展開し、地域の発展に取り組みます。

各地域の皆さまで、本取り組みに関してご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

【NTT西日本 香川支店】
男木島灯台サマポケ祭り(主催:男木島観光協会)の協力について
https://www.ntt-west.co.jp/notice/branch-news/

この記事を書いた担当者

安達 咲歩

アダチ サホ

スマートシティ/まちづくりチーム
研究員 Coクリエイター

今回現地で実証実験の支援をしたことで、体験をしてくださったご来島者の方に今後観光に活用することを踏まえた上での良かった点・改善点を直接ヒアリングすることができました。ヒアリングした方全員から「楽しかった・これからも使いたい」とご回答いただき、さらにご意見の中からは、実証実験だけでなく観光をする上での課題など新たな視点の学びも得られました。また、任意のアンケートでも多くの方から率直なご意見を頂戴できたため、今回のご来島者の皆さまのご意見や得られた知見を基に、今後も地域が持つ魅力を発信することで活性化に貢献できるよう努めてまいります。