Column 神戸大学さまの「ローカル・グローバルと公・民をつなぐ観光リカレント教育プログラム」にて講義

観光/Maasに関するレポートです。

神戸大学さまの「ローカル・グローバルと公・民をつなぐ観光リカレント教育プログラム」にて講義

神戸大学さまの「ローカル・グローバルと公・民をつなぐ観光リカレント教育プログラム」とは

神戸大学では、国際機関や自治体・企業との協力関係を基盤として、グローバルなコミュニケーション能力をもつ観光地域づくり人材を育成するリカレント教育※プログラムを開講しました。本プログラムでは観光産業に携わる受講者が3か月に渡り観光に関する専門講義や、英語によるプレゼンテーション・コミュニケーション演習、世界と日本を考える教養講義、持続可能な観光についてのフィールド国際共修を受講します。
この講義なかで、【観光分野におけるDXとは~デジタルを活用した事例を基に考える~】をテーマに講義を行いました。

講義内容

観光業界は、感染症の流行、戦争、為替の変動とさまざまな外部要因の影響を受けやすく不安定な要素が多いです。このような不安定性は雇用の安定や生産性の向上にも影響を与えます。これらの課題を解決するべく観光庁が主導となり日本の観光業全体でのDX化の推進を行っています。さまざまな企業や団体がDX化の取り組みに力を入れており、その中の優良事例についてご説明しました。また弊所で実施している観光業界に携わる自治体職員、事業者の皆さまに向けて観光DXとは何か、日本各地で実施している“観光DX勉強会”※の事例をご紹介しました。
講義の後半では、グループワークを実施して実際に“観光DX勉強会”の一部を受講者の皆さまに体験していただきました。グループワークの中では受講者が自身の考えをそれぞれ述べる意義のある時間を過ごすことができました。最終発表では、検討時間が短かったにも関わらず、データ分析とそれぞれの経験を活かした面白いアイデアがたくさんでてきました。
受講者の皆さまには、観光業界の課題と現実を知っていただき、その課題を解決するための一つのツールとしてDX化が今後ますます必要になってくるということを改めてご認識いただけたことと思います。

神戸大学辛島准教授からのコメント

神戸大学国際文化学研究科(国際人間科学部)は、観光を通じて地元の活性化に寄与したいと考える学生の増加を受けて、ツーリズムを研究教育の重点領域とし、社会人と問いを共有することを主眼においた観光リカレント教育を始めました。観光リカレントのプログラムをつくるにあたって、これまでも地域振興や観光について意見交換を重ねてきた地域創生Coデザイン研究所にDXをテーマに出講をお願いしました。観光DXについてのレクチャーで示された兵庫の事例は、関西や神戸と関係の深い受講者にとってイメージしやすかったこともあり、質問やコメントが数多く出ました。観光の分野でも“持続可能性”が注目され、“地産地消”もキーワードとなっていますが、西日本の先進事例から得られる知識やノウハウを関西などの地元で循環させることの重要性を痛感する機会となりました。

今後の展望

持続可能な観光推進にはさまざまなステークホルダーが連携していく必要があります。弊所が実施している“観光DX勉強会”では観光業におけるDXの必要性を学ぶだけでなく受講生同士の活発な議論によりその地域の“観光業界人材を繋ぐ”役割も果たします。今回、神戸大学での講義を通して受講生が議論をすることによりお互いの持続可能な観光振興に対する考えを分かち合い、相手を理解し、同時に観光におけるDX推進の必要性が理解いただけておりましたら幸いです。

なお、その他講演に関するご依頼や、事例に関するお問い合わせは画面右上、お問い合わせフォームからご連絡ください。

※リカレント教育…学校教育からいったん離れて社会に出た後も、それぞれの人の必要なタイミングで再び教育を受け、仕事と教育を繰り返すこと(出典:政府広報オンライン)
※観光DX勉強会…観光地のDX化を推進することでどのように業務が効率化できるのかということを学ぶ勉強会

この記事を書いた担当者

吉田 夏菜

ヨシダ カナ

Coデザイン事業部
プロジェクト推進チーム
研究員 Coクリエイター

今回はこのような機会をいただき辛島准教授には感謝です。受講生の多くは観光業界に携わっている方でしたが、事例の共有を通して改めてデータ分析には比較と仮説を立てることが大切である基本を思い出してもらうきっかけになっていたら嬉しく思います。DX推進と一言で言ってしまうと複雑なもののように感じますがひとつひとつ紐解いていけば、誰でもできる簡単なことも含まれています。そのステップのひとつを、講義を通して感じてもらうことができていれば幸いです。