Column 林業の人手不足解消の強い味方!山林を駆け回る「ラジコン草刈機」実証実験を実施しました(静岡県三島市)

GX(グリーントランスフォーメーション)に 関するレポートです。

林業の人手不足解消の強い味方!山林を駆け回る「ラジコン草刈機」実証実験を実施しました(静岡県三島市)

静岡の林業デジタル化に関する取り組みの一環で実証実験を実施

静岡の林業デジタル化に関する取り組みの一環で実証実験を実施

 地域創生Coデザイン研究所ではGX(グリーントランスフォーメーション)の取り組みを通じて地域のパートナーとともに持続可能なまちづくりをめざしています。今回、静岡県三島市の森林において、デジタル林業の実証実験を行いましたので、ご報告します。

 森林・林業においては、木を「植える→育てる→使う→植える」というサイクルを回していくことが重要です。木材を「使う」という木材の生産・流通については機械化・自動化が進んでいるものの、「植える、育てる」というプロセスでは、機械化・自動化が進んでいない現状にあります。

 スギやヒノキなどの苗木を植えて、育てる中では苗木にとって雑草が成長の阻害となるのですが、この雑草の刈り払い(下刈り)の作業は、重量のある手持ちの草刈り機を持って人が森林を移動しながら作業する必要があります。さらに、作業は夏場に行われることが多く、熱中症や草むらに潜む害虫などのリスクもあり、非常に過酷で負担の大きなものとなっています。林業従事者の高齢化や担い手減少の中で、この下刈り作業の省力化を進めることが求められます。

 今回、三島市では、昨年度に苗木を植えた森林で「ラジコン草刈機」の導入が下刈りの省力化につながるか検証を行いました。福岡県の機械メーカー様の協力によって開発されたラジコン草刈機は横幅約130cm、全長約230cm、高さは約90cmとの大きさで、オペレーターの手動操作のみで走行するため人が担いで作業する必要がありません。ガソリンエンジンを搭載しており時速4kmで進みますが、見事に雑草を刈りとっていました。また、山林にある傾斜やでこぼこ道にも対応し、問題なく走行することができていました。

 今回の検証では、「ラジコン草刈機」は林業従事者の負担軽減に加え、作業時間の大幅な短縮も実現し、林業の省力化・効率化に大きく貢献する可能性を示す結果となりました。

 地域創生Coデザイン研究所は、今後も持続可能な森林・林業に向けてのさまざまな技術の検証を進めてまいります。

この記事を書いた担当者

垣内 洋次郎

カキウチ ヨウジロウ

GX/まちづくりチーム
研究主任 リードCoクリエイター

今回、林業の抱える課題やそれを解決する新たな取り組みによって課題解決する大きな可能性を感じました。今後も地域創生Coデザイン研究所では、静岡東部地域をはじめ、地域の林業活性化をめざし、活動してまいりたいと考えております。