Column 今後の新温泉町における地域活性化のテーマ設定

地域創生Coデザイン研究所がある地域に入り込んで、地域の課題を探索する活動レポートです。

今後の新温泉町における地域活性化のテーマ設定

No7.新温泉町における地域活性化のテーマ設定

当初掲げた目的のひとつである「地域への深い入り込みによる真の地域課題・解決プロセスの探索」は、主体的な方を探すことと、私たちの取り組みをポジティブに受け止めていただくという難しい点もあったのですがこのプロセスを丁寧に実施したことで主体的に動いている方たちに出会うことができました。

 

これまでの取り組みの中で、地域住民が思っている町のリアルな姿を知り、また町の総合計画から行政運営の総合的な指針を徹底的に読み解き、新温泉町の人流データを分析し、それぞれから地域の可能性や課題を抽出し議論をして改めてシナリオを見直しました。そして新温泉町で活動していく主軸として「観光」をテーマにし、町内外から人を呼び込む流れを作ろうという方針をたてました。

 

新温泉町の観光資源は大きく2つ、温泉と食(漁業で得た新鮮な海鮮)があります。この2つの資源を求めて観光客は訪れるのですが人流分析データや地域住民の声から回遊性が乏しいという課題があることに気付きました。新温泉町では、例えば湯村地域で温泉街を楽しんで、浜坂地域で海鮮を食べるといった町内を回遊することができますが実際に2つの地域を往復する人は多くありません。町にはたくさん資源があるにも関わらず、観光客は自分たちのひとつの目的を達成すると町外の次の地点(隣県の鳥取県や他の温泉街)へ移動していき、これにより町内での消費額は下がり、宿泊者数が現状から増えなくなります。このように観光を主要産業としている新温泉町では回遊性が低いことは課題になると考えました。

 

観光客を呼び込み、新温泉町を訪問していただいた後、回遊性を増加させるためにどうすれば良いのか検討している中、町民インタビューで知り合った方から観光を起点に町を盛り上げようとしている新温泉町内初の旅行会社さまを紹介いただいたり、町をレコード・音楽の観点から盛り上げようと頑張っている企業さまをご紹介いただいたりしました。「地域への深い入り込み」を実施していたことにより私たちの活動に賛同してくださる方が他の地域で主体的に活動している方を紹介してくださりました。地域に入り込む際に人脈作りや関係性構築はキーになると想定していましたが、実際の経験から地域創生活動の中で地域の方との関係性作りが極めて重要な点であるということを再認識することができました。

 

このように地域のさまざまな企業や町を活性化しようと尽力している人たちをつなぎ、ともに町の未来を創っていくために、私たちは主体的に活動する方と積極的に意見交換をする場を設け、観光を起点にともに町を盛り上げる提案をしています。
新温泉町プロジェクトはまだまだ発展途上で私たちも試行錯誤が続く日々ですが、町内外のたくさんの人や企業を巻き込んで町を活性化させるという目標を持ち活動を進めています。

 

この記事を書いた担当者

吉田 夏菜

ヨシダ カナ

Coデザイン事業部
プロジェクト推進チーム
研究員 Coクリエイター

小さな町だからこそできる挑戦ががたくさんあります。
いままで紡いできた町民のみなさまとの関係性や社内外の協力してくださる方の思いを大切にしながら、まずは観光という側面から町を盛り上げることができるように頑張ります!