Our Story
宮崎森林・林業DX
プロジェクト
林業をきっかけに広がる、その先のこと
従来、地域創生の事例が紹介されるとき、具体的だが局所的な活動が着目され、その活動を持続可能にすることが主題となることが多かったのではないか。もちろん、地域創生とは「地域を元気にするための施策」であることに違いない。しかし、地域創生Coデザイン研究所がめざしたいのは、もう一歩先のフェーズ。地域全体や社会を持続可能にしていくことだ。何も宮崎の林業だけの話にとどまらない。
「林業の活性化によって、林業以外でも産業が生まれ、雇用が生まれ、誰もが暮らしやすい地域になる。それだけに留まらず、宮崎から一度外に出た人が戻ってきて、新たに移住者も増えてくる。求心力のある場所としても、森の力は遺憾なく発揮されていくのではと考えています」
そのような思いとともに、森から新しい暮らし方、新しい働き方を生み出し、発信していけたらと赤阪は語る。
「諸塚村森林・林業DX推進協議会」は、真に山村や林業が持続的に発展することをめざして設立された。それは、企業が提供したサービスが継続的に地域で使われることではなく、地域の人たちが林業をきっかけに、新たな産業の振興や生活環境の整備などに寄与していくことであるとも言える。
経済的価値を高めつつ、住民目線の本質的な社会的価値、つまりウェルビーイングを高めるにはどうすれば良いか。これは、地域創生Coデザイン研究所メンバーが地域の人々とともに活動するときに念頭にある問いだ。宮崎のプロジェクトは、まさにこのような問いが探究されている取り組みだと言えるだろう。
この地での取り組みを、
各地へ循環させていく
新たな可能性が見えてきた宮崎の林業。これからの日本における持続可能なモデルを展望するのにふさわしい地域だと考えている。さらに、この地で得たことのエッセンスは、他の地域の地域創生にも活かしうるものだろう。
宮崎の人々は、林業を重要な産業と位置づけていることを感じるという川井。
「森林経営管理の実現だけでなく、その先に森林や地域を豊かにすることをめざしていきたい。林業をきちんとお金が入ってくる産業として成立させ、森林を守り、林業を起点にしながら地域全体にさまざまな価値が生まれていく未来を描きたいのです。そして、確立した宮崎モデルを全国へ広げて森林・林業DXを実現することで、森も地域も豊かにするムーブメントを起こしていきたい」
そのためには、この宮崎のプロジェクトに見られるように、地域の課題に真正面から向き合うということ、地域とのフラットな関係性、テクノロジーの可能性の活用など、大切にされるべきことがある。根底にある課題を地域の人たちと一緒に考えるパートナーとして、資源を活かし、本質的な価値を磨き創出していくプロジェクトメンバー。その一人ひとりがもつ、地域の持続的な発展を見据える視点こそが、これからの地域創生に欠かせない。
「一見つながりがないように見えるのですが、山が健全な状態だと、海も美しい。山と海はつながっているんだというアプローチで、宮崎にサーフィン移住してきた人に林業にも関わってもらえたらと構想しています」
こう語り合うのは大地さんと湯地。林業の担い手不足に向き合うときの彼らの思考スタイルが表れている。目の前の問題に視野を奪われるのではなく、一人ひとりが大きな社会の構造や自然の循環を捉えた目線で取り組む。このような地域での活動に、地域創生Coデザイン研究所もメンバーとして関わり、その広がりに貢献できたらと思う。
大地さんは、常にその先にある未来を見据えている。
「いい山を次の世代に残すためには、デジタルの力、ICTの力がすべてではなく、必ず人間の力が必要です。(このプロジェクトから生まれた)森林クラウドをステップとして、人間も力を尽くしていくことで、50年後にいい山を残したい。それが私の目標です」
MEMBERS
そのほかのプロジェクトメンバー
宮崎森林・林業DXプロジェクトには、多くのメンバーが理念に共感し、関わっている。
その一部を紹介したい。「林業に新しい価値を提案し、持続可能な地域のモデルをつくる」。
そんな壮大な構想に向けて、本プロジェクトメンバー達の挑戦は、今日も続いている。
-
圖師 佑介さん
宮崎県森林組合連合会
森林整備部
森林整備課 係長林業の振興・発展のためにしっかりと本事業に取り組んでいきたいと思います。
-
蓑方 昇
NTT西日本 宮崎支店
ビジネス営業部
ビジネス推進担当地元宮崎に貢献したいと考え、このプロジェクトに参画しました。
林業の知識はまだまだですが、日々学びながら努めたいと思います。 -
髙瀨 友彬
地域創生Coデザイン研究所
研究主任
リードCoクリエイターふれあいを重ねるにつれ、宮崎への愛が深まっています。これからも皆さまと共に語り合い、歩んでいきたいです。
-
鈴木 理紗
地域創生Coデザイン研究所
研究員
Coクリエイター宮崎の皆さま、関係者の熱い思いが絡み合ったプロジェクトに参画できうれしく思います。一緒に豊かな未来をつくっていきたいです。